斎藤 岳@アイデアブック
株と仮想通貨の投資をメインに行っています。 12年ほどゴールドマン・サックスの自己勘定部門及びヘッジファンドチームで投資をしてました。 基本的にボトムアップの... つづきを読む
昨晩は大きなニュースのない中でリスクオン。債務上限問題が2か月程度分の上限引き上げに合意したことが強いて言えばポジティブな話として受け止められるが、正直言ってこの問題を本当にリスク視していたとは思えず、自律的な反応として下落相場からの反発の地合いが強かっただけだと思う。今晩の雇用統計までは大きなニュースもなさそうであり、ポジション調整が相場の主たる変動要因といったところだったのだろう。まぁそれで上方向に動くのは、相変わらず米株の強さというか、底堅さなのかもしれないが。 日本株も追加ニュースは少ない。水曜日のコメントで、場中の動きに注目といったが、寄り付き後の下がり、予想外?のマイナス引けであったことは個人的にはそれなりに重く感じている。少し上がるとやれやれ売りがでるので、需給の観点でやや弱気。選挙で今より政権が安定することはなさそうなのが、相場が強くなれない一番の要因だと思っている。11月まではその不確定要素が晴れることもなく、あるとすれば岸田政権がより具体的で好感される経済対策を発表すること。選挙対策もあり、具体的数字は控えているようだが、どこかで出てくれば流れが変わる可能性もある。 あまりにもニュースが少ないので、台湾TPP加入申請に絡んで1つだけ。台湾がTPPに加入することがもし決まると、台湾が1つの国家であることが国際社会である意味デファクト化することになり、中国は絶対に受
昨晩の米国株式市場はいったん反発。9月の非製造業総合指数も、61.9と前月61.7より上昇し、予想の60.0を超えた結果であったこともプラスだったと思うが、というよりかは自律反発の様相。金利も上昇し、リスクオフのトレンドがいったんリスクオンになったという展開。 今日の日本株もこの流れを受けていったん反発するだろう。さすがに直近では下落が続きすぎていたので、いつ買いが入ってくるのか待たれる局面ではあった。ただ買いが続くのか、あるいは上がったところでの、やれやれ売りが出てくるのか、場中の展開に注目している。特段イベントもなくあらかたニュースも出尽くしているので、今週は需給見極めの相場となりそうだ。金曜夜に米国では雇用統計があり、その結果次第で金利が大きく変わる可能性もあるためイベントがあるとすればそこ。 総裁選が終わってから日経平均は2000円以上下落しており、金融所得課税の税率引き上げ検討を理由にする声も大きい。その要因はあると思うが、どちらかといえば日本株だけ政権交代による政策の期待先行相場が終了しただけのようにも見える。日本株は強かったがグローバルにはリスクオフ相場になっていたため、それに追いついてきた。政権としては経済対策と景気回復を先に行いたいはずであり、増税はその後の話として考えていると思われる。実際そういった話をしているかと思うが、報道ベースだとどうしても増税の話が先行し
相場は反発。米国の8月の個人消費支出が前月比+0.8%と市場予想(+0.6%)を上回ったほか、9月のISM製造業景気指数も61.1と上昇したことなど、金曜日は好調な経済指標が目立ったため景気後退のなかテーパリングを行うという警戒感が和らいだ。さらに、製薬会社メルクがコロナの経口治療薬の中間臨床試験の結果を公表しており、コロナ治療薬への期待も含めて相場全体の後押しとなった。 他にはインフラ法案、気候・社会保障関連歳出法案の計4.5兆ドルの歳出に関して、可決に向けてバイデン大統領がより積極的に調整を行うような報道や雰囲気はあった。ただこれ自体はあまり大きなニュースでもなく、コロナ治療薬と好調な経済指標が直近の市場の下げに対して反発を呼び起こしたといったところ。 あまり大きなニュースもないので、個別ネタで少し気になったニュース。2週間ほど前にもブルームバーグでニュースになっていたが、アコーディアゴルフが4000億円近い価格で10月末に売却されるかもしれない。アコーディア+ネクストゴルフの計170ゴルフ場が対象の模様。2年前までシンガポールに上場していた(170コース全てではないが)ときは600億円程度の時価総額だったのでそこからすると驚きの価格ではあるが、もしこの価格で売却できたとすると気になるのは平和が保有するPGMゴルフの140ゴルフ場。170で4000億円とすれば、単純に考えれば1
昨日の米国市場は、株式が取引時間中に下落を拡大していく展開だった。新規失業保険申請件数は増加するなど、経済指標はまちまちであり、金利も一時1.57%まで上がりながら大台の1.5%を割って下がった。典型的なリスクオフの動き。 インフレの懸念、予算審議の膠着、債務上限問題の懸念など、実際にリスクが顕在化するかどうかはさておき、インフレと金利の高騰に端を発して防衛意識が強まっている状況である。結果リスクオフで金利が下がる展開となっており、金利が上がっても下がっても株式は売られるという弱気な市場となった。大きくいえば、テーパリングに向けて株式市場が弱気相場入りしたということかもしれない。こうなるとテーパリング自体はさっさと実施してもらったほうが、不透明感の解消という意味で市場にとってもいいのだろう。 日本株は11月の選挙、及びそれ以降の政策相場を見据えて引き続き強め。ただ岸田さんが総裁となり、選挙で自民党はどの程度議席がとれるのか?具体的な政策が何か?が、いよいよ焦点になるであろう。金融所得課税の税率を引き上げるという報道もあり、やや市場が警戒している。本当にするかどうかはさておき、先に増税の報道が出るのはやや微妙なところ。選挙前に増税をうたって勝てるほどの状況に自民党があるのかも不明だが、一方で増税をするなら選挙前に言っておかないと難しい面もある。金融所得の税率を引き上げるのであればそれ
昨晩の米国市場は大幅安。金利の上昇が止まらず、それを受けて高Valuationのハイテク株中心にグロース株が売られる格好となった。金利が上がることで株式のValuationの是正が行われる、という意味で昨日ようやく株式市場が反応した。それにしてもここ数日の金利の上げ方は大きい。昨日も長期金利は6bpsあがり1.5%をしっかり超えてきた。直近の高値の1.7%を抜けるかがポイントだが、上げ方の急ピッチぶりが株式市場をやや混乱させ、下落をさらに誘発していると思われる。 金利が、いつ、どの程度に落ち着くのかが注目。金利の絶対水準の1.5%は正直あまり高くもなく、どちらかといえば引き続き上方向のリスクは十分あるが、個人的には今1.7%を超えて上がり続けることもないと思っており、向こう1か月は1.6%が上限としていいところなのではないかと考えている。11月からのテーパリング開始、来年の利上げ可能性の増加、という観点で先週のFOMC以降、数日遅れて金利の上昇が始まったが、ここに米国の債務上限問題やインフラ法案に紐づいた歳出増加などがさらに輪をかけている。ただし、債務上限問題(債務上限引き上げできなければ国債のデフォルトリスクもあり得る)によって債券が売られ金利が上がるのは理論的にはその通りなのだが、過去何度もあったこの問題は、それが大きく意識されたときはリスク回避で米国債が買われて金利が下がる、
金曜日の米国市場の動きはほぼ横ばい。中を見るとハイテク株は売られてNASDAQは微減したが、シクリカル系の銘柄を中心に上がった。FOMCから1日遅れで金利が上昇をし始めており、金曜日も引き続き大きく上昇。金利がどの程度の水準で落ち着くのかわからないが、いったん落ち着くまではValuationの高いハイテク株より低Valuationの株の方が選好しやすいだろう。 8月の新築住宅販売件数が予想を上回るなど、デルタ株が拡大した後の指標でも強いものが出てきており、コロナ再拡大による経済への懸念よりも経済回復の路線が再度意識されつつある。クルーズ船を運営するカーニバルの決算も予想より良かったうえに、今後の予約状況がコロナ前を上回るとのことで、こういった動きもレジャー・旅行系が再度見直し買いされやすい局面であった。 今週の日本株もグロースよりバリュー株が優勢になりやすいのかな、と思う。特に金利がようやく上がっているので、保険や銀行などの金融株は先週に続いて今週も底堅そう。感染者数激減の話もあり、コロナ前への回復を意識したコロナ負け組銘柄の復活もありそう。ただ不動産関係については、恒大の話が及ぼす不動産市況全般という意味で、やや影を落としそうでもある。 仮想通貨も変動の激しい1週間であった。SECのゲンスラーによる規制関係のコメントや、もはや何度目なのかよくわからない中国が規制強化するという話な
23日の米国市場は、金利が1.4%台へ急上昇。21-22日に開かれたFOMCで、FRBが早ければ11月にテーパリングを開始し、利上げも22年中に行われるシナリオがより現実化しつつあることが示された。これを受けて22日の債券市場はメッセージの消化に混乱しており、金利が上昇する局面もあれば、下落する局面もあり方向性が定まっていなかった。一方で、昨日の23日は金利が上昇し始め最終的には1.4%台に乗せることになった。欧州の中銀もタカ派なメッセージを出し続けていることから各国の利回りが上昇しており、珍しく?米国の利回りも他の国債の流れに追随していったような模様となった。 もっとも、FOMCの受け止め方は引き続きやや混乱している部分もあり、株式市場では「特段のサプライズもなく、引き続き緩和姿勢の継続。利上げも当面ないことがわかった。」という受け止め方であり、金利の急上昇が示すようなタカ派なメッセージとは思っていない。むしろ安心感から昨日は大きく買われることとなった。 異なる市場で異なる動きとなっているように見えるが、あえて整理してみれば、株式市場の動きのように緩和姿勢の継続だったとしても、現状の金利水準はあまりに低すぎたため是正が入ったということはあるだろう。1.3-1.4%の水準というのは、あまりにハト派、ないし経済に対して悲観的すぎるとは思う。 他、中国の恒大についての懸念がいったん後退
シルバーウィークの休暇中でコメントもお休みしていたが、その間に今さら?中国の恒大の話に反応した。日本でも日経新聞で繰り返し紹介されていただけにこのタイミングで意識されるのはやや驚いたが、一度は意識される局面を迎えるものでもありアルアルだろう。 個人的にはこれまでマーケットはこの問題は大きな問題に発展しないと見ている、と考えており、事実結局はそうなのだろうと思っていたし、現在もそこは変わっていない。この辺りはアミンと見方が異なるかもしれない(休暇中で話してないのでわかりません)。つまり、 ①恒大が何らかの形で救済される ②恒大は破綻するが金融システムは救済される(セーフティネット) ③法的には破綻せずに(日本で言うと)私的整理の形で債権が整理される ④無秩序に破綻 大まかに4つわけると、①‐③になると考えていて、本線は②と思っていた。どうも報道等によると③の可能性が最も高そうだが(利払停止報道が出た際に政府が債権者通達している)、あるいは②及び③のセットなのか。 結局この手の問題は「信用不安」という連鎖反応が起きるかどうかであり、それが起きない、あるいは起こさなければ、ある企業が破綻しその債券や株式を持つ金融機関のデスクはクビになる、という話であり、金融機関ごとバンバン消滅するという話ではない。信用不安を防ぐには、最後は短期資金供給というセーフティネットを金融システム全体に用意するこ
米国の8月のCPIが発表された。食品・エネルギーを除いたコア指数で前月比+0.1%(市場予想+0.3%)、前年同月比+4.0%(市場予想+4.2%)と市場予想を下回り、7月の結果である前月比+0.3%からも鈍化した。これを受けて金利は下落。株式市場は当初上がっていたが、最終的に下落して引けた。 このCPIの結果を受けての論点は2つ。①インフレが見た目通り鈍化しているのか、②そうだった場合にそれは株式市場にとってポジティブなのか。 まず①については、そうであればパウエル議長がいうインフレは一時的であり年末にかけて落ち着いていくという見通しと合致することになる。早期のテーパリング観測はやや後退したとはいえ、その上で年内テーパリングの検討開始と言っているFRBの見方通りの進んでいるので、テーパリングの時期については誤差の範囲であろう。 一方で、インフレに対する懸念は引き続き根強い。特にCPIの40%のウェイトを占める家賃が下がっておらず、10月以降に雇用復帰して都市部に戻ってくる人たちの家賃高騰が懸念されており、一時的ではなくこの高止まりした水準を維持するのではないか?とみられている。昨日の金利の反応を見るに、8月CPIについてはいったん表面通りの鈍化を意識した動きとなっているが、このインフレ持続説もくすぶっており、すぐにFRBの見方がコンセンサスになることもなさそうだ。 ②についてはさ
昨日の米国株式市場は久しぶりに反発。CPIの発表が今日あり他にも今週消費者信頼感指数の発表など、デルタ株で感染が再拡大している中で経済にどういった影響があるのか、ある程度の見通しをすることが可能となるだろう。市場の意識が向きやすいだけに事前にマーケットも弱含んでいたが、昨日はいったん反発を見せることとなった。短期的には指標が全体的に弱く、金融緩和継続が再度意識される方がいいのかもしれないが、本質的にはインフレ、消費者信頼感指数ともに強くでることで実態の経済がデルタ株の影響をあまり受けずに回復していることの方が株式市場にはプラスに効きそうだ。 一番の最悪は、CPIは強い一方で消費者信頼感指数は悪い、という状態で、これは悪いインフレを想起させ、FRB含めて難しい判断を強いられることになりそうだ。現状では過度にそれを意識する必要はないと思うが、米国経済は春から初夏にかけてすでにペントアップデマンドを取りつくしたという話もあり、さらなる需要拡大の源泉に投資家たちも頭を悩ませている。 例えば、先日ご紹介したブリッジウォーターのレイ・ダリオの6月末時点のポートフォリオなどは、米国株は消費財はじめとしたディフェンシブ銘柄で固められており、明らかに今年後半の米国経済に対してやや慎重なポートフォリオとなっている。ちなみに、保有している景気敏感株はアリババである。個人的には中国銘柄の細い穴を当てるより
8月の米国卸売物価指数(PPI)が前年同月比で+8.3%と過去10年で最大の伸びを示したことで、インフレへの懸念が広がった。金利は上昇し、株式は下落。今週発表されるCPIによっては、テーパリングだけでなく利上げの議論も市場では意識され始める可能性もある。相変わらずデルタ株の蔓延が経済にどう影響を与えるのか不透明でもあり、影響があるとすればインフレの上昇も割り引いてみられる可能性もあるが、その場合は経済自体が弱くなることを示唆するため、どっちにしても不透明感の抜けない相場が続きそうだ。 失業保険の上乗せも今月で終了になるだろうし、個人の労働市場への復帰と投資への資金流入に変化が見られるかどうか。個人的にはテーパリング含めてさっさと行った方が、先行きの不透明感が消えて市場にとってはポジティブなような気もする。まぁ市場のためだけに金融政策や財政があるわけではないので、あと1-2か月の辛抱か。 日本株は先週4%近く上昇して独歩高の様相だったが、さすがに今週からは日本株固有の話だけでは動かないと考えている。グローバルに共通するネタ、結局は米国の金融政策と経済の動きに反応する相場になると思う。あとは選挙もまだ先であり読むのが難しいが、昨日の朝日新聞による政党支持率調査によると、自民党支持率が37%と前回の32%から大きく増えた。投票先でも43%(前回35%)と大きく伸びているため、総裁選の動き
米国株式市場は微減。今週の新規失業保険申請件数は31万件と先週からさらに減少。株式市場は経済回復とテーパリングの狭間で揺れ動いてる状態である。金利は昨日は低下となった。債務上限問題が控える中、国債の発行が十分でないため再投資先の少ない現金がリバースレポに大量に流れているという記事が日経新聞にも出ていたが、超長期の国債の入札も昨日は良好であり、その結果全体的に金利が下がることとなった。債務上限引き上げが行われればこの辺りは落ち着くと思われるが、不透明なうちは国債に資金が流れやすい可能性がある。 SBIが新生銀行に対してTOBを発表。49%まで買い上げることを目的とし、価格は2000円とのこと。銀行に対しての大規模なTOBは近年珍しい。さらに新生銀行の対応次第では敵対的TOBになる可能性があるとのことで、事前に根回しをしたディールではないのが注目される。もともとSBIは20%近く保有する筆頭株主であったが、マネックスと新生銀行が近づいたことで関係悪化、今回のTOBに至るという話もあるが、それだけで30%近く買い増して実質上限いっぱいで買い上げるとも思えない(銀行を50%以上保有するとSBI本体の事業にも制約がでるため、49%がギリギリ)。 他の地銀と違って、新生銀行に対して49%も取りに行く理由はやはりレイクブランドの消費者金融はじめとした、個人向け金融事業に注目していると考えられる。
米国株式市場はまちまち。ハイテク株中心にNASDAQは上昇した一方で、幅広いセクターで下落。S&Pやダウ指数は下落して終わった。8月に統計データで見られるようになった弱い経済指標が、コロナ再拡大が経済へ悪影響を及ぼしているのかどうか判断しづらい状況。そこに金融政策の維持かテーパリングかが絡み合うので方向感をやや見失っている。 一方で、方向性を持った動きをしているのが債券市場。金利はさらに上昇し、久々に長期金利は1.4%目前となった。先週の雇用統計の結果も、賃金上昇率や労働市場の供給不足の状況を考慮すれば、年内テーパリング開始で変更はなさそうという見方で一致しているよに思える。それに向けて金利の調整が始まっている。この動きも株式市場にとっては警戒視されていて、結果的にこういった様々な要素に一番関係が薄そうな大型ハイテク株に資金が集まっている。 総裁選とマーケット。いち早く出した岸田さんの政策(本質的には菅さんと同じ)が好感視されて、日本株は大幅に上昇した。すでに衆院選の勝利も確定したかのような織り込み方には個人的には驚いた。ただそれ以上に感染者数の激減の方が驚きでもあり、感染者数と支持率は結局逆相関で一致しているので、このまま続けば確かに選挙では普通に勝利してもおかしくはない。もっとも選挙の時期が11月とのことでそれまでコロナの状況がどうなるか誰にも読めない=支持率の動きも読めないだ
雇用統計は前月比で23.5万人増の雇用者数と、市場予想である+72万人を大幅に下回る結果となり、過去7か月間で最も低い伸びとなった。一方で、賃金は前月比+0.6%増と市場予想の+0.3%を大きく超える上昇となり、表面上の数字だけでは消化しづらい結果となった。 債券市場では、金利は一瞬下がったがその後上昇して終わった。あまりに低調な雇用者数は景気回復への疑念となり、年内と言われているテーパリング開始時期の後ずれも意識されて金利は下がっても不思議ではない状況ではあった。ただ賃金の大きな上昇がインフレ懸念を呼び起こし、景気悪化の話よりもインフレ懸念の方が大きく金利は上昇したものと思われる。また、雇用者数についてもこれまで通り、労働者が労働市場に復帰していないことが大きな要因であると思われ(要するに皆働かずに家にいる)、景気悪化⇒需要低下、というものではないことからインフレ懸念がより意識されたのであろう。 株式市場は、NASDAQを除きやや微減。テーパリング後退観測が出れば市場はプラスになりやすい環境であるが、金利の上昇の動きを横目にこちらも低調な雇用者数⇒テーパリング後退、とは受け止められなかったようだ。 菅首相が辞任するということで、日本株は大きく上昇している。元々政権支持率が自民党支持率より低かったこともあり、総裁を替えることでより選挙を戦いやすくするよう党内でも自然と動きが出たので
新規失業保険申請件数がコロナ以降最低水準にまで下がり、エネルギーセクター中心に相場は上昇。先に発表されたADP雇用統計が予想を大きく下回る結果だっただけに、景気回復が懸念視されていたがいったん持ち直した格好となった。これまでも言っている通り、ADP雇用統計は大体当てにならないことが多いので、今晩発表される雇用統計次第なのは変わらず。年内のテーパリング路線に変更はないと思われるが、今晩の結果がよほど大きく予想を上回る、もしくは下回った場合のみテーパリングの時期、あるいは利上げについての時期についてマーケット含めて見通しに修正が入るだろう。それ以外では大きく見通しに変更も生じず、金利含めて小幅のレンジ内に収まるのではなかろうか。 先週に続いて著名投資家たちが何をやってきたか、Bridgewaterのポートフォリオを見てみた。コロナ以降、金融セクターを大幅に削っていて、コロナ前は全体の3分の1ほど持っていた金融株を現状では5%程度にまで落としている。この辺りはバフェットと共通していて興味深い。全体でみると、景気敏感とディフェンシブ銘柄の比率は1対2程となっており、ディフェンシブに寄ったポートフォリオとなっている。景気減速をある程度見越していると思われるが、景気敏感株についてもアリババなど中国銘柄中心となっており、米株はディフェンシブ系が中心。この辺りの意図は読みにくいが、米国の景気には慎
昨日の米国市場は小幅の下落。コンファレンス・ボードが発表した8月の消費者信頼感指数が7月から低下。今年2月以来の低水準となったことが、先日のミシガン大学による消費者信頼感指数の弱さと相まって、市場全体に影を落としている。金利はこれをうけて序盤は下落した。やはりテーパリングの先送りなどが意識されやすい結果であったためだと思うが、その後月末のリバランスの影響もあるだろうが、持ち直して結果的には金利はやや上昇という結果となった。6月の住宅価格指数が19%上昇し過去最高となったことなども多少のプラス要因であったと思われるが、6月のデータなので実際はあまり昨晩の相場への影響はなかったように思う。 相場全体の大きな上昇あるいは下落にベットしたポジションは組みにくいので、やはり個別株でマーケット以上のパフォーマンスがとれると思うものを中心に据える時期に入っていると思う。パフォーマンスは下がるかもしれないが、相対的に強いと思う個別株を買って、マーケット(日経やTOPIX)を部分的にショートする、ということをして対マーケットの優位性を取りに行くのが個人的にはオススメする。ショートの部分はダブルインバースを買う、ということでもいいと思う。 それに選挙の話も大きい。政権支持率はようやく下げ止まり横ばい。コロナの感染者数の動きと逆相関のような動きにはなっている。8月にワクチン接種率は1回目、2回目ともに1
ジャクソンホールにおけるパウエル議長の講演は結果としてハト派として受け止められた。金利はやや下落し、株式市場はNASDAQ中心に上昇。発言内容自体は目新しさを欠くものでもあり、テーパリングの時期を具体的に言及するものではなかったので、年内というワードと同時に具体的時期がない時点で来月ではないことから、実際には10-11月辺りに発表して12月開始、になるのであろうか。 年内の時点で今やらなくてもせいぜい2-3か月のズレでしかないので、もはやハトかタカかの話をしてもあまり意味ないような気もするが、あえて言えば利上げの時期についてはテーパリングとは全く別に考えている発言したのは1つの材料だったかもしれない。そういう意味では慎重な姿勢であるのは間違いなく、何かあればすぐに緩和方向へ撤回する可能性は確かにある。 本日の日経13面の記事にもあるが、株式オプションを米国の個人投資家が大きく購入している。それも本来のボラティリティから計算されるプレミアムとは関係なく割高でも購入していくことから、オプションをヘッジとして使う投資家が使えなくなり、相場が変動したときのリスク要因となっている。 通常オプションを購入したら、売った方も買った方もデルタヘッジと呼ばれる、原資産価格変動によるリスクを0にするように現物株を同時に売買するのだが、個人の場合はオプションをレバ取引のように利用するためこういったヘッジ
昨晩の米国市場は反落。FRB当局者の2名から、テーパリング開始についてタカ派なコメントが出たことがキッカケとなった。発言したカプランやブラードは、元々今回のテーパリングについてはタカ派の発言であったので、サプライズではないが、もう少しデルタ株についての配慮の効いた発言を株式市場は期待していたのかもしれない。今晩のジャクソンホールでのパウエル議長の講演に向けて、前日まではほぼ無警戒?に市場は上がっていたがようやくやや警戒された模様。一方で金利はほぼ変わらず。金利は逆に今週前半にジャクソンホールを警戒して大きく上がっていたので、昨晩の当局者による発言に改めて反応することはなかった。 さて、こういうどう動くかわからない相場のときは、賢人たちのポートフォリオがどうなっているのか見てみよう、ということでまずバフェット(バークシャー・ハザウェイ)のポートフォリオから。 https://www.cnbc.com/berkshire-hathaway-portfolio/ 現在、というよりかは6月末時点のポートフォリオではあるが、引き続きアップルは売却せずに持ち続けており、その後にバンカメやアメックスが続いている。コロナ禍以降、バフェットは株式を売り続けており、特に金融株はゴールドマンやJPモルガンなど全て売却して圧縮している。コカ・コーラやクラフトなど、バフェット銘柄はそのまま健在。 次にビル・
昨晩は金利があがり株式市場も微増という、ややリスクオンのような相場。ただ、ジャクソンホール前日のリアクションとして捉えると、リスクオンというより債券と株式で想定している発言内容にズレがあることを示唆している可能性がある。ただテーパリング開始時期について、早期に始まるという見方が市場においても浸透しつつあるため、予想通りの引き締めに向けたコメントであれば、株式市場もあまり反応しないかもしれない。むしろ想定よりハト派なコメントが出ると、景気回復への懸念の方が意識される可能性もある。 ただ日本株については、もはや米国のテーパリングの話はどうでもよく、それよりも選挙の方が100倍重要であろう。自公で過半が維持できるのか、あるいは他も抱き込んでの大連立としてギリギリ体裁を整えられるのか、あるいは政権交代となるのか。後者のリスクがより顕在化していると同時に、そうなったときに日本株の保有比率は海外投資家中心に大きく下がると考えられ、ワーストケースの影響が非常に大きい。 幸い今週は株式市場は上昇しており、先週の日本株独自の下げの要因が横浜市長選の懸念する向きもあったのであろう。この上昇しているタイミングで少しづつリスクを落とすことを個人的にはオススメしている。自公で過半数取れるのであれば、何の問題もなく株式市場は上昇する可能性があるが、選挙のリスクは今回は非常に読みにくいので無理にリスクを取る必要
金曜日の米国市場の動きは、株式上昇、金利も小幅上昇とリスクオンの状況。テーパリングに対する懸念、あるいはその後退、コロナ再拡大に対する懸念と楽観、が商品別に入り乱れてあまり整合性のない中、様子見が続いているような状況である。今週開催されるジャクソンホールにて、今後の金融政策がどのように語られるか例年以上に注目されている。 週末の横浜市長選で立憲民主党が推す山中氏が当選となり、自民党の推す候補は敗北した。今日のマーケットの反応で、衆院選におけるリスクのある程度の見極めはできそう。先週の日経の弱さは事前にリスクを落とす向きもあったと思うが、その答え合わせにもなるだろう。報道では総裁選が不可避となっているが、正直言って誰が総裁になろうとも自民党の支持率が大きくかわるような刷新ができるとは思えない。そうなれる顔があまり思いつかないので、現実的には自公+αの連立の路線を模索するのではないか。その筆頭は維新と想定される。 自公維で過半数を確保できるのであれば、マーケットは最悪の事態にはおそらくならないが、問題は維新を取り込めるかどうか。選挙前にそれが出るとかえって維新の選挙戦略には良くない可能性もあるため、裏で繋がっているとしても事前報道では否定する可能性もある。その場合にマーケットが選挙前にどう動くか。国政で立憲が第一党になる可能性もそう大きくないとはいえ、混沌を嫌うマーケットはリスクを落と