OfficialAmin

@amin
2018年1月1日
麹町
2024年6月にログイン
@aminimazwww.pafin.com

元ゴールドマンサックスのマネージングディレクター。2017年末に引退し2018年1月にクリプタクト社を設立。少年時代はコーディングばっかり。GSのITに入社後、... つづきを読む


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【2021.06.24】明確なメッセージを与えられず市場の様子見開始。エネルギー関連堅調。
icon2021年6月24日
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連銀メンバーの意見が真っ二つに分かれ、パウエル議長も台本通りの答えしか与えない中で出来高が低下し、相場全体の方向性が失われている。昨夜の米国市場も小幅な値動きで引き続き金利低迷でNASDAQが僅かに最高値を更新。 市場に与えられている使命は今後のマクロデータ指標を自ら判断し、「一時的」と主張されているインフレなのか「本当の」インフレなのか決断すること。いかなる局面においてもあまり冷静的でないマーケットにとってはやや厳しい要求。 今後インフレの判断に役立ちそうな指標と市場予想は以下: * 6月24日 GDPのQ1修正(3次)のコアPCE。前回の2.5%から修正の有無。 * 6月25日 個人所得と支出。どちらも前月比悪化する見込み。 * 6月25日 5月PCEコアデフレーター。前月比やや減速する予想。 * 6月29日 4月FHFA住宅価格指数。前月比やや加速。 * 6月30日 ADP。前月比半減する予想。 * 7月2日 雇用統計。前月比の55.9万人から増加し70万人弱の予想。時給は前月比大きく伸びる見込み。 なお金利とコモディティが下がる中、原油は引き続き好調。ロシアのOPEC+供給増提案とイランの核合意のニュースを受けても堅調で、需要が当面供給を上回る見方が浸透しつつある。このローテーションを表しているのがエネルギーETFのXLE対金融ETFのXLF。6月に入ってからXLEがXLF

【2021.06.22】説明のつかない動きとその逆転。懲りずに原油。
icon2021年6月21日
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昨夜の米国市場は先週木金のほぼすべての下落を戻し、長期金利も急上昇。ここまで相場が極端に優柔不断な動きを見せると、水面下でより莫大な歪みが潜んでいる。端的にいうと、マーケットが壊れている。 最初は切っ掛けがなかったのもその破損の度合いを語っている。日経平均が3%下がったあと、米株先物と金利が上昇しはじめ、昨日の昼頃に1.92%だった30年金利が今朝2.10%に戻った。 リスクオフの起爆剤となったブラード総裁は月曜日のオンラインイベントで再び似たようなコメントをしていたにも関わらず、今回は長期金利上昇材料となった。繰り返しだが、壊れている。 その中で原油が3%値上がりし、2018年以来の水準を回復した。昨日ツイッターでも改めて$100原油のシナリオを紹介したが、私のビューに合わせたかのように(笑)バンクアメが今日原油$100のリポート発行。発送は同じ: * 需要がしばらく供給を上回る * エネルギー関連企業の供給はESG等により当面縛られる * これからドライビングシーズン等の需要期が始まる 昨日もコメントしたが、テーパリングと利上げの議論が加速している中で$100の原油が見えてきたら別のショックが重なり、大きな混乱が発生する恐れ。 ビットコインも中国の銀行・決済業者のさらなる取締により1月ぶりの安値を付け、リスク資産全体が前も後ろも見えない砂嵐に翻弄されている。 取るべきリスクが全

【2021.06.17】FOMCを(ほぼ)無視したコメント。原油を語ろう。
icon2021年6月16日
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真夜中に目が覚めて折角だからFOMCの決定会合と記者会見を見ようと、暗い部屋で一人でみていたら損しかしていない気分で後味の悪い朝を迎えた。 その気分をそのまま言葉に落とし込んでツイートしたのでご関心のある方はご覧ください: https://twitter.com/aminimaz/status/1405247057464479745 さて、今日のモーニングコメントは原油に関して。 2008年のリーマン前の夏。世界の原油生産量が最大化するタイミングが近づいていると騒がれ、ピークオイル議論で原油価格が一時$140ドルを付け、世界中に本震前のショックを走らせた。 当時の米国エネルギー省(DOE)の統計で全世界の原油需要は一日当たり8700万バレル。同時期のOPEC生産量は3300万バレルで残りは非OPECのOECD等が賄っていた。需給が概ね釣り合っていたにも関わらず市場が不確定な未来予測に基づいて一気に原油価格を約2倍に値上がりさせた。当時の米国CPIが2007年中の+2%前後の水準から2008年7月に+5.6%に跳ね上がり、数十年ぶりのオイルショックを起こした。 2021年に早送り。 コロナ禍で低迷していた原油需要が凄まじい勢いで回復中。IEA統計によると2020年末にすでに9100万バレルに回復し、2021年Q2に9490万バレル、Q3に9770万バレルに急伸する見込み。 そこで

FOMC前のポジション調整による値動きを深く考えすぎないこと。パーク24決算で景気回復銘柄に黄信号。
icon2021年6月14日
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ナスダックが過去最高値を更新し、金利が上がり、農産物コモディティが大幅下落し、FOMC前のポジション調整とショートカバーで騒がしい米国株式相場だった。 昨日はポール・チューダー・ジョーンズ氏が多くの投資家の内心を代弁し、現状を「バット・シット・クレイジー」(とんでもなくめちゃくちゃ)と雄弁に語った。報道によるとFOMC委員会メンバーの利上げ予測が前倒しされ、現在2023年にゼロ近辺にある金利予想値の中央値がやや上がる見込み。いずれにせよ、決定会合の声明が事実上「現状維持」であれば、ジョーンズ氏も語ったように、インフレヘッジ(仮想通貨、金、コモディティ)が大きく買われ、リスクアセットのバブルが再度膨らまされるだろう。 引き締め姿勢への過剰反応を恐れているFOMCは、勇気を絞り出して少しブレーキを踏み出すのだろうか。取り返しのつかないことになる前に踏んでほしい…。ターゲットにしている雇用改善は現在の金融政策によって実現できているかは個人的に大きく疑問。 国内株式で昨日はパーク24(4666)が2Q決算を発表し、大幅な未達に加え通期を赤字に大きく下方修正し、想定外のロックダウン打撃、景気回復の遅れのシグナルを示した。 上期は元々1300億の売上、5億の営業赤字を見込んでいたが、着地は1218億の売上(予想比-6.3%)と65億の営業赤字(予想比13倍、前年同期比4.3倍の赤字拡大)。通期

【2021.06.10】CPI発表前にピークインフレとテーパリング議論後退を織り込む
icon2021年6月9日
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昨夜の米国市場が小幅な下落で終了する中、二日連続で長期金利が大幅に低下し3月半ばの水準に逆戻り。 先月の前月比+0.9%のコアCPI上昇は1970年代以来の水準。資材高、中古車価格の高騰等で大きく跳ね上がり、5月半ばに向けたリスクオフを引き起こした。早期テーパリング懸念が浮上し、10年金利も再び1.7%に迫る水準まで上昇していた。 ただし、今夜発表されるCPIの市場予想は「ピークインフレ」を織り込んでいる。前月比+0.9%を一過性とみなしエコノミスト予想が+0.5%と先月の水準から大きく低下し、ピークはもう過ぎた見込みとなっている。 その結果、今週はインフレ関連銘柄と資産が大きく調整している。米国の主力金融ETFのXLFが三日連続下落し、金利敏感銘柄が総じて低調。これまで好調だった金も$1900から反落し、3週間ぶり安値を更新。 しかし、発表前の市場反応は過剰な安堵に見える。 半導体等の供給網ボトルネックによるインフレは確かにいずれ解消されるであろうが、長引く傾向が見られ年末や来年のはじめまで残る展開になりつつある。と同時に賃金の伸びも想定以上の伸びを見せており、給料水準にも上昇圧力がかかっている状態。 50年ぶりの前月比水準が一過性だったかどうかは重要ではない。それよりリーマン後に起きた構造的なデフレと異なる局面にあるかどうかの見極めがポイント。ミーム銘柄が代表する過剰流動性相場

【2021.06.08】世界初のアルツハイマー病治療薬承認でエーザイに注目。エーザイADR+56%
icon2021年6月7日
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昨夜の米国市場全体は特に目立った動きがなかったが、ミーム銘柄の反発と世界初のアルツハイマー型認知症治療薬の承認で個別銘柄の商いが活発だった。 エーザイ(4523)とバイオジェン(BIIB)が共同で開発したアルツハイマー病治療薬の「アデュカヌマブ」がFDAに承認され、BIIBが40%上昇し、エーザイのADRも一時56%急騰。2003年以降、アルツハイマー病関連の承認はなく、今回の承認は事実上20年ぶりの進展。なおアルツハイマーの根本的な原因である脳内に蓄積されるアミロイドβプラーク(タンパク質)をターゲットにした薬剤が世界初。プラークの蓄積が認知症の原因だと考えられており、減少が見られたのは初めて。 今日のエーザイの株価は大きく反応するだろう。長年、多くの資金とリソースを投入してきた分野からいよいよ成果があがった。ただし、アルツハイマー治療薬の課題は、薬効を正確に測定すること。アデュカヌマブの臨床試験の結果は多くの医師に疑問視されており、承認後どれくらいの売上が見込めるかは非常に不透明。 ミーム銘柄も再び反発し、AMC(+14.8%)、BB(+13.8%)、BBBY(+7.2%)、GME(+12.7%)等が大きく値上がり。ただし、先週に比べて全体に占める出来高が現象。金曜日時点の空売りデータによるとAMCの一部のショートがカバーされ、4月に浮動株対比20%だった空売り残高が12%程度

【2021.06.03】1月を超えるポテンシャルのスクイーズ相場到来?
icon2021年6月2日
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全体が小幅な上昇で終わる中、水面下で凄まじい商いが行われた。 1月のゲームストップ騒動は歴史的ショートスクイーズを切っ掛けにメルビンキャピタルが50%の損失を被りシタデル等によって救済された。その後、個人投資家とHFを巻き込んだ議会の公聴会が開かれ、空売り報告等の規制見直しの議論が始まった。 昨日の米国株式相場はこの1月の激震を再び仄めかす展開となったが、今回の主人公はゲームストップではなく、一時倒産寸前まで追い込まれたAMC社である。 ゲームストップと異なり、発行済み株数を超える残高の空売り状態ではないが(AMCの現在の空売り残高は浮動株対比18%程度)、AMCがこれまで大量に発行してきた新株を背景にGMEの当時の時価総額を大きく上回っている(AMCの現在の時価総額は313億㌦、GME当時のピークは242億㌦)。 その結果、メルビンが破綻寸前となった同等の状況が発生している。 1月20日~1月27日にかけて空売りによってHF等にて2兆円を超える損失が発生した。5月25日~今日現在までは8000億円の損失となっているが、 最新の空売り概算データを見る限り、今日はどれもカバーされておらずむしろ最も上昇したAMC、GME、BBBYの空売りが積み増されている。 下図を確認頂ければ、1月のミーム銘柄(GME、AMC、BBBY、BB、PLTR、SPCE、RKT)全体の空売り損失の状況(上図)

【2021.06.01】雇用統計の統計学的ミステリー
icon2021年5月31日
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メモリアルデーで米国市場が休場の中、今週金曜日発表予定の雇用統計に関わる内容をご紹介。 毎月発表される 非農業部門雇用者数(NFP) の前に民間企業であるADP社が ADP雇用者数(ADP) を発表する。どちらも全国の雇用情勢を反映するものだが、集計方法が異なる。 NFPは労働省労働統計局(BLS)が全国の雇用サーベイのサンプルに基づいて集計。雇用主単位のデータであり、廃業や新規設立等の影響は集計上調整される。 ADP社はBLSの集計方法をベースに実際の給与支払いに基づいて計算される。 どちらも各月の季節的要因や過剰な一過性要因を除いて集計。NFPはさらに、その後三カ月間に渡って過去データの修正も行う。 そこで発生する問題は、コロナ禍そのものが季節を狂わせ、すべて一過性要因とも思われるような影響を及ぼしている。統計集計作業が極めて困難となり、ADPもNFPも正確な数字把握に苦労している。下図は過去のADPとNFPの人数差を表しているもので、コロナ禍の影響で過去にない乖離が発生している。先月も50万人弱の差があり、過去3番目に大きいズレとなった。 もう一つの課題は季節の調整。たとえば夏にプール関係の仕事が増えるのは想定内の出来事で、7月に全国の継続的雇用が突然増えているわけではない。コロナ禍はこれも狂わせてしまっているので、NFPサイト上にある季節調整前の数字をご覧いただければ、統計

【2021.05.27】新たな指標誕生!ミーム相場復活!
icon2021年5月26日
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相場全体で材料が乏しい中、年初にスポットライトを浴びた銘柄群が再び浮上中。 ユーチューブでも紹介させて頂いたが、年初は「ミーム相場」、「ショートスクイーズ相場」に多くの投資家の注目が集まった。民主 vs ヘッジファンドの戦いは1カ月半もの間に広げられ、3月ごろに鎮圧された。 しかし!現金給付、特別失業手当、全損に挫けない心を武器に「ウォールストリートベッツ」の一夜で大儲けの夢は決して終わらない! そこで「ミーム相場」を表現する新たな指標を誕生させてみた!年初に何百万人もの人々の心を捉えた銘柄を選び、米国相場全体の出来高に占める割合を計算。その銘柄群とは - GME(ゲームストップ) - AMC(AMCエンターテインメント) - PLTR(パランティア) - BB(ブラックベリー) - RKT(ロケット・カンパニーズ) - BBBY(ベッド・バス・アンド・ビヨンド) - SPCE(ヴァージン・ギャラクティック) - TLRY(ティルレイ) 一月半ばの上記銘柄群はなんと相場全体の 9% もの出来高比率を達成!売買されていた10株に1株がミーム銘柄であった!3月から4月にかけて株価暴落と同時に出来高も低下し、全体の1%未満の寄与に戻った。一通り騒ぎが終わったと思いきや、年初に決議された法案に基づき5月に再び$1400の現金給付が行われた。5月は4000億円相当の給付で、これまでの一時給付

【2021.05.25】マクロデータ発表前に暗号資産の回復を受けナスダック主導で反発
icon2021年5月24日
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ピークから半値まで暴落していたビットコインを筆頭に暗号資産が20%前後値上がりする中で、材料不足だった昨夜の米国株式がテク主導で大きく反発。最近の相関を反映して金利もやや低下。 暗号資産において引き続き米中の規制強化の動きが強まる中で、引き続きイーロン・マスク氏の発言に遊ばれる展開がつづいている。昨日は米国市場におけるマイニングの電力を生成可能エネルギーにシフトさせようとしているとつぶやくと上昇ペースが加速した。1日で30%下がるのも、1日で20%上がるのも、どちらも無論不健全な価格形成を表している。昔から暗号資産がこの程度の値幅で変動するのは資産クラスの属性でもあるが、機関投資家や企業が取得している昨今においては参加者に過去と異なる打撃を与えている。 規制面でもう一つの重要な動きはコモディティ市場内で起きた。中国は独占、投機、買い溜めを一切容認しないと表明し、鉄鉱石、鋼材、金属等が大きく下落した。株式、暗号資産と同様に、過剰流動性を吸収していたコモディティからも資金が流出すると果たしてどこに流れるのだろうか。 今週は多くのマクロデータ発表を控えている。米国の住宅価格、新築販売件数、消費者信頼指数、耐久財受注、GDPとGDP価格指数、個人消費、PCE(連銀が好むインフレ指数)等々が発表される予定。 今日は日本株も米国株高を受け、連勝で始まるだろうが足元の上昇はより長い調整の中での反

【2021.05.20】一歩先を走る暗号資産によるリスクオフの前兆
icon2021年5月19日
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昨夜の米国相場は寄りの大幅下落から引けに向けて徐々に回復したが、正直株式相場のファンダメンタルズより暗号資産の極端の動きに誘導されていた印象が強い。 実際、テク主導の反発が始まったタイミングは暗号資産がセリング・クライマックスを迎えた瞬間。 過去一年間で多くの個人投資家、機関投資家のポートフォリオに組み入れた暗号資産の動きは全体のリスク管理の一部となっているのは間違いない。特に機関投資家の場合、ポートフォリオの一部が突然30%下落するとリスク管理、レバレッジ管理の観点で静観の選択肢はない。 3月末のアルケゴス事件からリスク資産への黄信号を申し上げ、4月中のコインベース上場やドージコイン騒ぎ当たりからより強いバブルへの警戒を呼び掛けてきたが、依然としてリスク資産全般は脆い局面にあると考えている。 昨日のFOMC議事録も想定外な展開にテーパリング議論の開始を示唆したが、暗号資産に乱暴に誘導されていた市場はそれをじっくり消化することができず一日の取引を終えた。特に今回の緩和・財政バブルの影響が最も明確に顕在化している市場は株式ではなく債券相場である。ハイ・イールド債(ジャンク債)と名目金利差は2007年のリーマン前の水準に縮小し、本来であれば元本回収リスクを最も懸念すべき債券投資家がいかに過剰なリスクを負っているかが現れている。 蛇足ながら昨夜の暗号資産暴落で多くの個人投資家がはじめて暗

【2021.05.18】再びテク主導の下落。株、木材、暗号資産が下がる中、金は独歩高。
icon2021年5月17日
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昨夜の米国株は先週の回復から一旦小幅下落。再びグロース主導の調整で、ナスダック銘柄を中心に低調。 株がもみ合いを続ける中、堅調な建築需要等に支えられていた木材先物が月曜日に大きく下落。7月限月の先物が4.5%値下がりし、6日連続の下落となった。5月7日につけた最高値から20.6%暴落。供給が細る中、需要の先食いで先物が急騰してきたが、需給バランスが落ち着きつつあると考えられている。 ビットコインはイーロン・マスク氏の公開喧嘩に遊ばれ、テスラが売った憶測で大きく下がったのち、売ってないと表明したマスク氏のツイートを受け反発。暗号資産を代表するビットコインは4月の高値から30%下落。短期的に14日RSI等は売られすぎをシグナルしているが、この水準を維持できなかったら一段安のリスクが現れそう。 その中で個人的にも注目している金が上昇し、1月以来の高値を更新した。これまで続いていた資金流出が止まり、実需を含めた流入が加速している。世界最大の金ETFのGLDは、3月~4月にかけて4500億円の資金が流出したが5月に入ってから750億の流入。インフレ懸念と実質金利上昇で再び注目されており、ジュエリーと中央銀行の実需も回復中である。 中国が輸入規制を緩和した関係で国内需要が戻り、3月は1年ぶりの高水準の金輸入量を記録(下図)。 先日はアイデアブックにも金のアイデアを投稿したが、ご興味のある方は下

【2021.05.13】1982年以来のコアCPI上昇で市場動揺
icon2021年5月12日
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一時的かどうかも断定できないインフレと言える指標が出揃う中で昨晩の米国市場は総崩れ。インフレ懸念で金利も上昇したが、金利恩恵銘柄も寄り近辺値上がりしたが無差別的なリスクオフで最終的にマイナス圏に。 4月のCPIはヘッドラインで+4.2%(市場予想+3.6%)、2008年以来の水準。連銀が重要視するコアCPIは前年比+3.0%(市場予想+2.3%)、前月比+0.9%(市場予想+0.3%)と1982年以来の上昇率を記録した。中古車価格上昇(4月前月比+10%)が犯人との声もあるが、中古車価格も新車価格も資材高、半導体等による供給不足が要因でどちらもすぐに解消されない状況。 値動きの地合いが非常に悪く、S&P、ナスダック、ラッセルもすべて出来高を伴う形で安値引け。最も打撃を受けたテク主導のナスダックは2020年3月以来100日移動平均を割り込んだ。金利上昇で恩恵を受ける金融ETFのXLFは上昇から始まったが、引けに向けて売られ最終的に1%安。久しぶりの典型的なリスクオフ。 想定以下の雇用・景気回復と想定以上のインフレは微かにスタグフレーションの匂いがするが、その判断はまだ時期尚早。インフレが一時的かどうかも数か月の様子見が必要な中、これまでの永遠緩和への期待が一歩下がりそう。市場が織り込んでいる2022年の利上げの可能性は先週の60%から80%に上昇し、今後テーパリング議論も前倒しされそ

【2021.05.11】1分間モーニング投資コメント
icon2021年5月10日
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月曜日の米国市場は金曜日の雇用統計後の反発から逆行しナスダックが2カ月ぶりの下落率。 グロースはここ数週間、インフレ懸念(リフレ期待)と景気再開と闘いながら、一進一退を繰り返してきた。昨日はFAANG等のマーケットけん引役が3~7%下落し、3月半ば以来の下落率を記録。景気敏感銘柄は寄り直後堅調だったが、後場のテック下落を追随し、ダウも5日ぶり下落。 ずっと同じことを言っているような気がするが、リスク資産全般は見た目より脆い局面にある。 次の注目点は水曜日の米国CPI発表。市場予想はヘッドラインで+3.6%と10年ぶりの上昇率を見込んでいる。コアも+2.3%と長期目標である2%を超えると予想されている。パウエル議長をはじめとした連銀関係者の「インフレはあくまでも一時的な現象となる」主張がより厳しく見極められそう。 個人的にマーケットのセンチメントを確認する上で先週のユーチューブでも紹介したARKKのETFに一つの指標として注目しています。テスラ、スクエア、ショッピファイ等、イノベーションをテーマにしたETFであり、昨年150%上昇。3月に入ってから続落し、昨日も5%強下落。このETFに含まれている銘柄の多くは「実績というより夢がある」。現在のマーケットバリュエーションもある種の夢で支えられているのでいつ目が覚めるかが気になります。 主要市場の動き - ダウ 34742.82 (-0.

【2021.05.06】1分間モーニング投資コメント
icon2021年5月5日
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日本株がゴールデンウイークで休場の間、S&Pは概ね変わらず、ナスダックは低調。決算が続いている中でテックを中心に大幅な市場予想対比の過達でない限り、大きく売られる展開となっている。 今週は一時大きく下がっていたが、その要因はイエレン財務長官の発言だと報道されている。金利が上がる余地があるという発言が懸念されたがその後に撤回された。正直、その発言の影響はさほど重要ではないと考えております。 マーケットはバブル領域にあると認識しており、参加者の多くは流れが変わりそうであればすぐに出口に向かいたいと思われる。イエレン財務長官の発言はこの状態を明確化したのみ。個人的にこの発言より、決算への反応が気になるところ。 アップル、マイクロソフト、ネットフリックス等、市場予想を大きく上回らなかった銘柄はここ2週間調整しており、高いバリュエーションを支持する材料が乏しい。 今週の注目は金曜日発表予定の雇用統計。市場予想は100万人増加だが、エコノミストの中で200万人と予想している人もいる。フェッド当事者は次々とインフレは一時的な現象となると発言しており、テーパリング議論をする必要はないと強調。今のところ市場はそのビューを共有している模様。その前提が崩れるかどうかはデータ次第であり、金曜日の発表は今後の方向性に大きく影響与える。 仮想通貨でドージコインの上昇が止まらず、土曜日のイーロン・マスク氏のSN

【2021.04.27】1分間モーニング投資コメント
icon2021年4月26日
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決算発表が本格化する前にナスダック、S&Pが最高値を更新。引け後にQ1を発表したテスラは想定内の結果だったがアフターで株価が一時2.5%下落。 2020年に743%上昇したテスラへの期待が高かった中で、市場予想を概ね達成したが160倍のPERを維持するには期待値を大きく超えるサプライズが必要だったのか。四半期売上は10,389百万ドル(+73.58%)と市場予想の10,415百万ドルをやや下回った。強気なアナリストの予想値はこの水準を20%上回っていたので、予想レンジの上限に満たなかった。EPSとFCFは両方とも市場予想を超過達成したが、マーケットは利益への興味はそこまでないようだ。EVの夢で買われてきたテスラは夢のままであればなんでも許されたが、PER160倍を正当化できる利益水準は数年先だとすれば今の株価はそれまでの企業価値をすでに織り込んでいることになる。 日本株で昨日決算発表したキャノンは市場予想を大きく上回って好決算。第一四半期営業利益は705億と市場予想の370億の倍。売上の8426億は市場予想を2%上回り、前年比+7.7%成長。通期の業績予想も上方修正し、従来見込んでいた3.4兆円の売上を3.5兆円に、1585億の営業利益を1980億にそれぞれ上げた。カメラ事業が好調だったほか、在宅勤務によるプリンター需要が回復し、今後レーザープリンターの需要回復も織り込んだ。夜間P

 【2021.04.22】1分間モーニング投資コメント
icon2021年4月21日
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三日ぶり反発。下落局面は押し目買いという共通認識はまだまだ健在。 コロナ緩和対策後、G7で初めて引き締めに動いたのがカナダ中銀。資産購入の金額を40億カナダドルから30億に減額し、もともと2023年と示唆していた利上げのタイミングを22年に繰り上げ。カナダドルは1%弱上昇した。 航空関連株も力強く反発したが、国際航空運送協会(IATA)は従来見込んでいた業界の損失予想を380億ドルから480億ドルに引き上げた。コロナ禍の影響が想定以上に長引いてる状況を考慮すると旅行・観光銘柄の本格的な回復はまだ先であろうが、連日の下げで押し目買いが入った。 JPMがビットコインの調整リスクをハイライトした後、グッゲンハイムのマイナード氏も大幅な調整を予想。マイナード氏は引き続き強気だが、短期的に50%の下落の可能性があると指摘。1年前にビットコインに見向きもしなかった連中が次々と意見を述べるようになったのは個人的に皮肉に聞こえる。 アルケゴスキャピタルの事件を受けてSECは開示ルールの厳格化の検討に入った。追加開示の対象はスワップやCFDのデリバティブ商品に加えて年初話題となったファンドによる空売りの可能性もある。今年は運用業者の開示義務の負担がかなり重くなるだろうとずっと指摘してきたが、いよいよ具体化した。 緩和・財政バブルへのリスクが高まっている中、引き続き用心深さが必要だと考えております。言

【2021.04.20】1分間モーニング投資コメント
icon2021年4月19日
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大型テック、グロース、スモールキャップ主導の最高値からの調整。シカゴ日経先物は3週間ぶり安値。 幅広いセクターで株価が下落。週末の仮想通貨暴落と週明けのドル安で少しだけマーケットが高所恐怖症な展開に。 個別決算でコカ・コーラのQ1が想定以上の着地。正味売上は6%増加と、アナリスト予想の+0.5%に対して大幅過達。ワクチン接種率の高い地域での回復傾向が明確。一方ユナイテッド航空のQ1は調整EPSが-$7.50と、市場予想の-$7.02を下回った。旅客と貨物両方とも市場予想以下。当社は年後半の観光等の潜在的需要に期待。IBMはクラウド事業の成長で18年以来の四半期増収を発表(前年比+1%、予想-1.4%)。 一部の市場関係者でテーパリング計画が6月のジャクソンホールにも示唆される可能性があるとの声も。JPMのストラテジストは今年12月にFOMCがテーパリングを発表し来年から保有資産を減らし始めると予想している。 日本株に関しては昨夜の急速に進んだドル安を受け、4月初めから3円の円高が進行し、上値の重かった市場の調整に拍車をかけられそう。前提条件の大幅な変動で業績予想発表を見送る企業が増えそうな中、コロナ回復に向けた前向きな業績予想を期待していた市場が少し失望するリスクが高まった。少なくとも7月のQ1決算発表までの透明性は例年以下になりそう。 昨年5月からずっと強気だったが、3月末のアル

【2021.04.15】1分間モーニング投資コメント
icon2021年4月14日
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コインベース上場と大手金融機関の決算が盛り上がる中、全体は再び(やや)リフレーションに傾いた。 待ちに待ったコインベースの初値は$381と直近のFTXトークン高値の$630を大きく下回ったが、寄ってから上昇し、一時12兆円の時価総額を超えた。その後、利確が入り$328(初値比-14%)で引け。ビットコインも同じく少し利確が入り、$65000の手前から3%弱調整。現在のアフターで堅調に上がり、$347で売買されている。今後S&P500入りできるかが注目されそう。 大手金融機関(GS +2.3%、JPM -1.9%、WFC +5.5%)の決算は絶好調。ローン需要に対する悲観的な発言があったJPMを除いて順調に上昇。各社とも全領域が貢献し、SPAC上場による株式引受手数料増加や、想定以上のトレーディング収益等も大きくプラスに寄与。三社とも話題となったアルケゴスキャピタルの影響は特にみられず。 そのほかに、CDCがJ&Jの新型コロナウイルスワクチンの投与を一時停止するよう勧告。6人が脳血栓を発症し、数日間の見直し期間が必要と判断した。リスクアセット全般がコロナの終息を前提にしている中でワクチン普及に対するネガティブなニュースは引き続き要注意。 グロースとバリューの日替わり相場が続いており、今日は金融の決算と原油上昇等でリフレーション主導の展開となった。金利の上昇は限定的だったが、ドルは3月

【2021.04.13】1分間モーニング投資コメント
icon2021年4月12日
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マクロデータ、決算発表、コインベース上場を控えるマーケットは様子見モード。 火曜日のCPI発表でコロナ禍ベース効果が顕在化する予想。市場予想は前月比+0.5%、前年比+2.5%。10年金利は発表前、ここまでの上昇を一部戻している中で想定以上のインフレが発表されれば再び1.8%に向かう可能性が高まる。全体がかなり上がっている中で、さらなる金利上昇はグロースやバリューを持ち上げるというより無差別的な調整につながりそう。金利上昇から恩恵を受ける金融や保険等が選別されると思われる。 欧米のQ1決算が本格的に始まる今週から市場は業績見通しに注目。ほとんどの企業は前年対比で改善する見込みだが、足元の仕入れコスト上昇がどう収益に響くのか、需要の復活が予想以上に反映されるのかがポイント。14日から大手金融機関の決算で見極めが必要なのは、ローン需要、SPAC大量上場によるディール収益増加、トレーディング収益の反動減等。 水曜日はコインベースの上場がメインイベント。10兆円を超える時価総額になりそうな世界最大手の仮想通貨取引所が足元のクリプトバブルにどう影響を与えるかが非常に気になるところ。ビットコイン等の「安全な」代替ともなりうるコインベースが新たな投資家層を呼び込むか、大型上場の達成感で一旦マーケットが利確モードに入るのか。仮想通貨全体の時価総額が2兆ドルを超えている中で個人的に後者の可能性はそこ